【業界事情】声優養成所と専門学校の違いを経営視点でぶった切る!
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よく「おすすめの声優養成所を教えてください!」「いい専門学校はどこかありますか?」という質問をいただきます。声優になるには学校選びは大事です。

いい声優の学校を見分けるヒントを経営者である声優の学校側から見てお伝えします。あ、でも私は声優養成所や声優専門学校の経営者ではないので、ご了承くださいね。

学校はどんな風に運営しているのか?


声優の学校はどう運営しているのでしょうか。声優の学校は公的なものではないので、一般の会社と同じように経営する必要があります。つまり、お金を儲けないと会社として存続できないということです。

声優養成所の運営方法


声優養成所は運営元である声優事務所が行っています。声優事務所は所属声優へ仕事を斡旋する代わりに、マージンを貰います。マージンとはこの場合、仕事斡旋料です。この割合は2割~3割くらいの声優事務所が多いです。

しかしそれだけでは声優事務所の経営上デメリットもあります。

考えられるデメリット
・いい声優がなかなか見つからない
・所属声優全員に仕事が行き渡らない
・そもそも仕事自体が少ないと資金がない

こういった理由から声優養成所を設立する方がデメリットの部分を補えるということです。つまり、声優養成所を設立すると以下のメリットが得られるということなのです。

考えられるメリット
・人材育成ができる
・所属声優に講師としての仕事を与えることができる
・授業料他、声優養成所からの資金調達ができる

また、有名な声優さんを講師として迎えることで、ネームバリューが生まれ、声優養成所の広告としても経営に活かすことができるというワケです。

声優専門学校の運営方法


声優専門学校も声優養成所と似ているのですが、母体になる運営会社が一般の会社であることがほとんどでしょう。

大きな違いとしては、声優事務所が運営しているわけではないので、声優科以外のデザインや調理など別のジャンルでもコースが儲けられているところです。

声優専門学校としては以下のメリットがあります。

考えられるメリット
・授業料が高いため資金が大きくとれる
・資金力があるので広告がたくさん出せる
・有名な声優を講師として雇える

例えばTVCMを流すことも可能になるというワケです。TVCMは広告料としては非常に高額になりますからね。

ただ、宣伝力は強くても、声優としての教育のノウハウが声優養成所に比べると劣る傾向にあります。

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声優志望者は五万といる


声優になりたい人はどれくらいいるかご存知でしょうか。声優養成所や声優専門学校に通う声優志望者はおおよそ300万人と言われます。そのため、有名な声優さんを広告として使い、宣伝をします。

有名声優は一握りでも声優志望者はたくさん


人生に代役はいないと言われるように、有名な声優さんの代わりはいません。しかし、声優志望者はたくさんいます。声優事務所としては次世代の声優さんを育成して、売り出し、稼げる声優さんにすれば、最終的にはその事務所の儲けになります。

例え途中でその学校を辞めてしまっても、次の声優志望者はいくらでもいるというのが現状です。普通の高校などと違い「卒業させる」ことが目的ではありませんので、厳しい学校もあるのです。

声優の学校はやめてほしくないから甘くなることも


声優養成所は、声優養成所だけでなく、資金は声優事務所としてのマネージメントでも得ているため、養成所生が1人2人辞めても問題ないと考える学校も多いです。そのため、声優養成所の方が厳しいレッスンになることが多いと言えます。

一方で厳しい学校と反対に、ダメ出しも甘く「辞めてほしくない」という学校もあります。

「声優専門学校」があてはまるでしょう。声優専門学生が支払う学費で経営しているため、生徒が辞めてしまうと、お金が入ってこなくなります。そのため、全部の声優専門学校とは言えませんが、声優養成所に比べると甘くなる傾向があるのです。

厳しい学校が良いわけでもないが甘い学校は良くない


これまで解説したように、声優の学校もお金を儲けないと存続することができません。声優の学校は、高校までの学校とはわけが違うのです。卒業したり、声優になったりすることを保証していないので、それをサポートする義務すらありません。

声優の業界は競争だ


よく声優養成所の入所オーディションに合格できるか不安で、それが心配だから声優専門学校に行くという人がいます。

考え方はそれぞれだとは思うのですが、私は声優養成所のオーディションくらい突破できない人は、声優になれる可能性はかなり低いと思っています。というのは、声優という業界は常に競争だからです。

声優養成所に合格しても、声優事務所に所属するためのオーディション、その後は役を貰う(仕事を貰う)ためのオーディション…とオーディションで仕事を勝ち取って行かなければならないからです。

仲良しこよしでは声優になれない


声優養成所では足の引っ張り合いが起きるという意見もあります。でもそれは、競争に勝とうとすることからだと思います。

また声優養成所から声優になっていく人はほかの声優志望者との足の引っ張り合いをしている時間はありません。声優になる人は「自分との戦い」をずっとしているからです。他の声優志望者の足を引っ張るような人は、声優になることはできないと思います。

声優専門学校がすべてというわけでもないですが、声優養成所に比べ、「仲良しこよし」になってしまい、「ぬるま湯」で満足してしまう人も少なくありません。

声優専門学校は「楽しく通える」ことを謳う学校もたくさんありますが、本来の目的は「声優になること」ですね。それを忘れ、中学や高校の延長としてとらえてしまうことも多々あるのです。

そういった理由から、私個人としては声優養成所をおすすめするスタンスです。声優養成所で足の引っ張り合いが起きたとしても、自分に向き合い「常に演技を追求する」ことを目標にしている人こそ声優になれる人材です。

自分の人生を声優に捧げるつもりで挑む


声優になるためには、絶対に声優養成所や声優専門学校に通う必要があると思う人が多いですね。しかし、声優養成所や専門学校で教わることなどたかが知れています。

無料で声優になるトレーニングや練習法を公開しているサイトもたくさんあるのは、声優になるための基礎は簡単だし、無料で公開できるくらいのものだからです。もちろんその練習法に価値がないわけではありません。

その練習を継続することで、声優になれる可能性が高くなるのは本当です。

声優としての本当の勉強とは、声優養成所や声優専門学校を卒業した後も続きます。むしろ、そこからが最も重要な声優の勉強です。

それは私も同じです。声優養成所を卒業し、小さな事務所でしたが所属してそして、事務所を辞めて初めてわかったことですが。

今回は、声優養成所や声優専門学校から見た声優志望の人という内容を紹介しました。異なる考え方はあると思いますが、私の考えを書いたので、少し偏っているかもしれません。

この記事を1つの意見として捉え、自分の人生を本当に声優として捧げることができるのか、よく考えてほしいと思います。そして、自分にとっていい声優養成所を選択してほしいと思います。

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