【元声優が語る】高校生から声優になりたい人へ…現実を見て欲しい
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声優になりたいと考え始めるのは、中学生、高校生の人が多いです。私自身高校2年生で進学校だったのですが、突然声優になりたいと思い立ちました。今回は、声優になりたい高校生の方へ、高校生から声優になることがどういうことなのか、紐解いていきたいと思います。

声優になるのに高校生はダメ?


声優になりたいと考え始めるのが中学生のときだとします。その後高校生で養成所や専門学校に行って、在学中にデビュー!と考える人もいるでしょう。

しかし、ちょっと待ってください。本当にそれで大丈夫でしょうか。実際に高校生から声優になることはできるのかなども交え、解説していきましょう。

高校生でも声優になることは可能…でも


高校生で声優になることは可能かどうか。これは結論としては可能です。そもそも高校を卒業することは、日本の義務教育ではありませんし、高校の教育は高等教育なので必須ではありません。

しかし、高校卒業の資格は社会的に見ると必須といってもいい状態です。高校までで教わる内容は「常識」として知っていなければならないというのが、日本の現状なのです。

声優に本気でなりたい人は、「もし失敗したら」という可能性もちゃんと考える必要があります。失敗すること自体は悪いことではありません。しかし、人生では「失敗したときにどうするか」が重要です。それを考えないで挑戦するのは「無謀」なことです。

もし声優になったら高校はどうするの?


もし声優養成所に高校生で通い、声優になったらどうするのか?と思う人もいますね。仮定の話として高校生から声優になれたとします。

先ほども述べましたが、声優になる=売れっ子ではありません。声優になれたとしても、生活できるレベルのお金がいきなり入ることは非常に考えにくいです。新人1人のギャラは1本15000円です。

高いなあと感じた人、慌てないでください。ここから、事務所のマージンと所得税など引かれます。結果、ギャラとして手元に入るのは1本あたり5000円です。バイトだと思えばそれなりの金額だと思いますね。しかし、ギャラだけで新人が生活しようとすると、何本の仕事をしなければいけないのでしょうか。20本こなしても東京では生活できません。

声優として生活することがどれだけ大変なことなのかは、以下の記事でもご紹介しています。

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高校生の生活を捨てるのはおすすめしないワケ


個人的には、高校生の生活を捨てるのはおすすめしません。一緒に考えていきましょう。

声優として「一生」やっていけるのか?


今高校生で声優になりたいと考えている人は、成功して華々しくデビューしている自分しか想像できないと思います。そりゃそうです。TVやライブなどで、アイドル声優として活躍している人に憧れているのですから。

しかし、声優として「一生」やっていく場合、ずっと売れ続けていなければ成り立たないことです。
一発屋として一回だけ売れればそれでいいなら何も言いませんが、声優という職業に就くというのは、一生仕事を勝ち取りつづけなければ無理なことなのです。

高校はほぼ義務教育


最初にも少し触れましたが、日本では高校卒業の資格はどの企業でもほぼ必須です。紆余曲折あって、高校卒業しなかった人でも後で高校卒業資格をとった人の話もよく聞きます。中学卒業までが義務教育ですが、その資格だけでは生活しづらいのが今の日本です。

そんな中、せっかく高校に行ったのに、その卒業資格をとらずにやめてしまうのは、おすすめできることではありません。せめて高校は卒業しましょう。

声優として今後やっていくと決めているのなら、なおさら高校は卒業しておきましょう。声優いう仕事は、いろいろな役になることが必要ですね。高校生の役が来た時に、どう演じますか?想像力が豊で感受性が強い人は、補えるかもしれません。

でも、あくまでもそれは想像であって、実際に経験したこととは違います。声優になるということは、常識も身に着ける必要があり、さらに今の日本の「普通」を知っておくことも必要なことです。

経済的に保護されている立場


高校生のみなさんは、まだ10代で保護者が経済的に保護している状態です。高校に通う費用はほとんどの人が、保護者が負担しているのではないでしょうか?

保護者としては、「声優になりたい」というあなたの夢を否定するかもしれません。それがなぜなのでしょうか。声優としてずっとやっていける可能性が非常に低いことを知っているからという理由があります。良くも悪くも現実がわかるからです。

また養成所の費用を保護者が負担することの方が多いですね。子どもは保護者に対して、遠慮しろとか養ってもらっているんだからということは言いません。しかし、現実としてまだ未成年で、人生経験も浅いまま、声優になるということは危険なことでもあるのです。

まわりの情報に踊らされるな!


「声優 高校」とGoogleで検索するとどんな記事が出てきますか?高校生でデビューして、声優として活躍しているという良い情報ばかりが目につきます。夢を抱くことは大切なことだと私も思います。でもそれは現実を見ないことではありませんよ。

高校生でデビューできている人は何人?


実際に高校生でデビューできている人は何人くらいいるのでしょうか。明確な人数はわかりませんでしたが、ごくごく少数であることは予想できるでしょう。しかも、「デビュー」と「声優として生活」はまったく違います。

デビューするまでは、誰でもできると言えば言い過ぎですが、的外れな人間でなく、6,7年も勉強すれば、1つくらいの仕事は来ます。また、Youtubeの動画でもナレーション募集は頻繁にやっていますし、自分で応募して仕事をすることもできます。

一生食っていく覚悟はあるか?


作品に出るくらいは、ほぼ「誰でもできる」のが今の声優業界です。なので、「デビュー」を目指しているならば、それはほぼ可能です。しかし声優として一生食っていくのなら、話は全く別です。
世の中には天才と呼ばれる人がいます。何にもしていなくても、なんとなくできてしまう。よく言う「才能」というやつですね。でもこれを読んでくれている人のほとんどは「凡人」で「才能がない」人です。

声優として一生食っていくという目標を持っているのならば、口先だけの「デビュー」なんて言葉に踊らされないでください。もちろん才能を持った人はいます。高校生で声優になれて、とんとん拍子にデビュー、そのまま一生食べていける人もいます。

そういうリスクもしっかりと見据えて、情報を収集し、声優になる道を真面目に考える人の方が人生で失敗しても修正しやすいと私は考えます。

声優になりたいなら一生食っていける声優へ


特にアニメの業界では顕著ですが、超ベテランばかりの声優、もしくは駆け出しの声優ばかりという配役になっているのに気づきますか?

声優の世界は、事務所に所属すると新人はジュニアと呼ばれます。その後3年ほど経つとランカーという立場になります。ジュニア時代のギャラは、1本15000円です。その後ランカーになると1本のギャラは16000以上で変動していきます。

簡単に言うと、ランカーになるとクライアントとの交渉でギャラが決められるということになります。超ベテランの声優さんだと1本で〇十万とか、TVCMでは140万円とかもありえます。それくらい出しても、その番組やCMの効果があると思われるからです。

そんな中、ジュニア時代の15000円という固定のギャラに甘んじて、努力や売り込みを続けていなかった声優は、ランカーになった途端に仕事がなくなります。つまり、ジュニア時代に頑張って演技力を磨き、周りとのつながりをしっかり作っていた声優さんだけが生き残れる業界なのです。

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