とあるツイートで「不登校でも声優になれますか?」という質問を見かけました。様々な理由で不登校になってしまうことは仕方のないことですし、自分自身を守る方法でもあるので不登校自体を一概にだめだとは言えません。
しかし不登校になってしまうことによって、声優としての勉強も遅れてしまう可能性があります。なぜ不登校が声優としての勉強も遅れてしまうのか詳しく紹介していきましょう。
もくじ
不登校でも声優になれる?
まず不登校である人が声優になれるかどうかを考えていきましょう。声優にとって必要なスキルはたくさんあります。声優になりたい人がよく勘違いするのですが、声優はただ台本を持ってセリフを読めばいいという仕事ではありません。
声優になるなら国語はできないとだめ!
声優になりたい人は5教科の中でも特に国語を勉強することをおすすめします。高校生の場合は現代文ですね。小説や論文など、文章を読み読解力をつけておく必要があるからです。台本の読めない声優なんていません。
国語の教科書は、その年齢に合うような読解力をつけるための教材でもあるのです。小説家論文などを読んで、どう感じるのか、どんなイメージが湧いてくるのかといった感性も重要です。
声優になるための勉強の一つとして、「言葉」「日本語」の勉強は欠かせません。小学校から高校までで12年間も国語勉強できるのです。国語を勉強することである意味声優としての勉強をしているということでもあるのです。
声優になるなら漢字は読めないとだめ!
声優が使う台本は当然ながら漢字が書いてあります。レベルとしては、高校卒業レベルの漢字は読める必要があります。ググればいいじゃんと思う人もいるでしょう。もちろん声優養成所のレッスンでは調べる時間があるのかもしれません。
しかしプロの声優になった時に、現場で当日台本を渡されることもあるのです。調べている時間などありません。常用漢字は最低でも読めるようにしておく必要があります。
しかも新人で、漢字の読みが違うからと指摘してくれるかどうかも分かりません。ベテランの声優であれば漢字が読めないということは通常ありません。スタッフさんも教えてくれるわけでもないのです。
どれくらいの漢字が読めればいいのかという質問を私が受けることがあり。その際私は漢字は漢検二級レベルは持っていても良いのではないかとお伝えしています。一つの目安として漢検2級は取得しても良いのではないかと思います。
コミュ障だとかなり難しい
コミュ障という言葉は、私が声優になりたいと思った時にはありませんでした。病気としてのコミュニケーション障害という意味やよりも、「コミュニケーションが苦手」という意味に使われています。人見知りや言葉ベタとしての「コミュ障」ということですね。
声優養成所にいるうちは上下関係はあまりありません。しかし声優事務所に入ってからだといやでも上下関係にさらされることになります。事務所の中でも社長や先輩、マネージャーさんなど自分が仕事をしていく上で関わっていかなければいけない人たちがたくさんいます。
また声優としての仕事でも、一緒に演技をする共演者やスタッフさん、ディレクターさんなどとコミュニケーションを取る必要はあります。ご飯を食べに行ったり、飲みに行ったりすることも珍しくありません。コミュ障だからとそれを避けることはできません
【結論】声優になりたい人は不登校だと難しくなる
これまで述べてきたことを考えると、不登校だとなかなか声優としてのスキルがつきにくいと考えられます。そのため、不登校の人が声優になれる可能性は、低くなるのではないでしょうか。
声優になりたい人は本を読もう
不登校かそうでないかにかかわらず、声優になりたい人は本を読む習慣をつけるべきだと思います。その理由を説明していきましょう。
台本の読解が声優の演技のスタート
声優が演技をしているシーンを見たことはありますか。テレビで顔出しの仕事をしている声優さん。マイクの前の演技はそれなりにやっています。しかし本番で見せる声優の演技とは全く違います。
テレビで見せている演技はパフォーマンスに過ぎません。本来の声優の仕事現場はもっと激しい雰囲気です。
声優は台本に書いてあるセリフをただ読んでいるだけではないのです。テレビアニメの場合通常であれば何日か前に台本をもらいます。声優としての仕事はここがスタートです。台本を読解することそれが声優の演技のスタートです。
台本から役を起こす作業が声優の仕事
台本に書かれてあることが声優の演技のスタートということは、ここでつまずいてしまうと、失敗という意味になりますね。声優の仕事は台本から役を起こす作業です。
つまり日本語で書いてある、漢字もところどころにある台本を読解して、そのキャラクターをイメージし、さらにそのキャラクターの気持ちや呼吸、考えていることすべてを作り上げた上で、初めてスタジオに入るのです。
この文字だけで書かれてある台本を最終的に魅力的なキャラクターに仕上げることが声優としての仕事なのです。かっこいい声を出すこと、可愛らしい声を出すことが声優の仕事ではありません。そこは勘違いしないようにしてください。
本を読むことで声優としての読解力を磨く
不登校であるかそうでないかにかかわらず、声優になりたい人はどんな本でもいいのでまずは本を読む習慣をつけましょう。漫画ではいけません。漫画でもある程度の読解力はつきますが、活字で書いてある本がベストです。
なぜならば、先ほども申し上げました通り、声優の仕事は活字を魅力的なキャラクターに仕上げることだからです。活字から読み取れるキャラクターのイメージ、風景、気持ち全てを瞬時に判断できるようになりましょう。
不登校=声優になれないということはない
一番最初に不登校の人は声優になりにくいというお話をしました。それでも色々な事情があって学校に行けない人もいると思います。しかし、本気で声優になりたいのならば、学校で教わる国語レベルの勉強ができないというのはいただけません。
学校に行っていなくても、それくらいの学力をつける気持ちでいましょう。
どの業界でも天才はいるもの
悔しいことに、どの業界にでも「天才」と呼ばれる人たちがいます。 それでもこのブログを読んでいる人たちの中におそらく天才はいません。99.9%の人が「凡人」なのです。それならば、凡人は凡人なりの努力をしなければなりません。
この文章を理解できない人は声優は難しいと心得よ
これまでの文章を読んでどういう風に感じましたか。理解できているでしょうか。この文章を読んで内容が全く分からない人は声優になるのは難しいと思います。私が書いているこの文章が台本として出てきたらどうでしょうか?
私の気持ちを理解して、私という人間を演じることができるでしょうか。
不登校であっても自宅学習をしよう
今学校に行っていない人がこの文章を読んだ時に落ち込んでしまうのかもしれません。「声優になれないのか」と。でもそれで諦めてしまうのであれば、「それまで」の世界です。不登校であっても自宅学習はしましょう。
声優になるならないということは別にして、勉強をする事は無駄になることは絶対にありません。
学校の勉強よりも大切なこと
不登校の人が不利になるのではないかと思われるポイントがいくつかあります。世間では不登校であっても「悪ではない」という風潮があります。もちろん私も「悪」だとは思いません。
でも声優としての必要なスキルを身につける、練習できる場所が「学校」だと思うのです。
声優としての礼儀・一般常識
声優の業界は、役者の業界でもあります。役者の業界は非常に上下関係が厳しいことでも知られています。年齢が自分より下であっても、先に声優の勉強を始めた人、声優の事務所に入った人が先輩です。
挨拶をはじめとする礼儀に厳しい世界でもあります。また一般常識がわからない声優はいずれ仕事がなくなります。それを学べる場所が学校でもあると私は思っています。
人とのコミュニケーションの取り方
先生や先輩後輩、友人。学生のうちに関わる人たちは、狭い世界ではあります。それでも人とのコミュニケーションの取り方を学ぶには大切な場所です。声優事務所に入った時に、コミュニケーションが全く取れない人はいません。
人とのコミュニケーションの取り方の練習の場として学校は大切であると思います。
不登校だからダメというわけではありません。ただ学生のうちに、声優に必要なスキルを身につけるための練習ができる場所として学校を活用する手段があるということです。不登校であっても、自宅学習で学力を補い、考え方を養うことは重要です。
学校の友人でなくても、人と関わっていくことが声優にとって非常に重要なことなのです。