今回は定番の質問「声優になるには」にお答えできればと思います。声優になるには基本的に学校で基礎を身に着け、声優事務所に所属するのが一般的。学校にも声優養成所や声優専門学校など種類があるので、どの学校を選べばいいのか迷いますね。
もくじ
声優になるための方法
「声優になりたい!」「声優になる!」と思っても、どうやったらなれるのかが分からないという質問もいただくことがあります。まずは、声優になるために、どういう道筋をたどれば良いのかを解説しましょう。
そもそも「声優になる」とは
声優という職業は芸能関係と思って差し支えありません。仕事の種類にもよりますが、多くの人が考える、「アニメや映画の吹き替え」の仕事はほとんどが、 「声優事務所」「声優プロダクション」に所属してもらうもの。
ナレーションのジャンルはちょっと違い、事務所に仕事が来るケースもあれば、個人で仕事を探すケースもあります。したがって、多くの人が思う声優になるには、声優事務所に所属する必要があるということになりますね。
声優事務所、声優プロダクションとは
マネージメントを自分でやっているフリーランスの声優も存在します。しかし地上波のアニメや映画などは、特に大手事務所にしか仕事の話が来ません。大ベテランの有名声優ともなれば話は別です。声優事務所は声優を登録し、クライアントはその中から適切な声優を選ぶ、声優は指名されるのを待つようなシステムだと思ってください。
声優事務所(声優プロダクションという名前も事務所に含みます)は、多くの場合養成機関である声優養成所も同時に経営しています。声優としての基礎を教え、その中から優秀だと思う、これから売り出せそうと思う人を運営元である声優事務所に「所属させる」わけです。
例えるなら、ヒットしそうな商品(声優)を仕入れる(所属させる)ということなのです。声優になりたい人は、その「ヒットしそうな商品になる」ことが必要なのです。
声優になるためのルート
声優事務所に所属すること=声優になることがわかりました。では、声優事務所に所属するにはどうすればいいのでしょうか。
声優の学校へ行く
声優になるには、ほとんどの人が学校に行きます。他にも劇団に入ってそこからオーディションを受ける道もあります。また、幼少期から子役として芸能事務所に入る手段もあります。
しかし、声優になりたいと思い始める年齢は、中学生~高校生くらいの人が多いのが現状です。そのくらいの年齢ならば、声優養成所や声優専門学校などの学校に行くというルートが現実的でしょう。
声優事務所の所属オーディションを受ける
学校に通う目的はただ1つ。声優事務所に所属するためです。声優養成所でも、声優専門学校でも卒業が近くなると声優事務所への所属オーディションが行われます。
声優養成所の場合は運営元の声優事務所のマネージャーさんや社長さんなどが審査員として参加し、オーディションが開催されます。専門学校の場合は、たくさんの声優事務所のマネージャーさんが来校する、もしくは自分でオーディション会場に行って、一斉オーディションを開催することが多いようです。
いずれの場合でも、マネージャーさんや社長さんが、「売り出せそう!」という見込みがある人をピックアップするのです。
預かりを経て事務所所属になる
声優事務所に残ることが決定しても、すぐにお仕事が来ない場合の方が多いと思います。まずは「預かり」という立場になります。期間はおよそ1年くらいの仮所属のようなものです。
この期間は事務所の規模でも変わります。預かりがある・なしもあるので、あらかじめ自分が事務所内でどのポジションにいるのか、何をしなければならないのかをしっかり認識しておく必要があります。
声優事務所によってはサヨナラになることも・・・
驚く方もいるとは思いますが、「預かり」の立場は、実は事務所によっても違うので注意です。大手事務所の「預かり」というのは、ほぼ所属になること前提での仮所属であるとが多いです。
注意したいのは、中堅クラスの声優事務所、小規模事務所での「預かり」です。
この場合「あと1年猶予をあげるので結果を出しなさい」ということが多いのです。結果というのは自分で仕事をとってくることです。オーディションを自分で受けて、役をもらうことですよ。
なので、「預かり」の期間に声優としての商品価値があることを、アピールしなければなりません。もしお眼鏡にかなわなければ、そこでその事務所とはサヨナラ。声優からは遠ざかるということです。
声優専門学校と声優養成所
ここまでを少しおさらいしましょう。
声優になるには声優になるための「学校」に通うのが王道です。そして、学校には大きく分けて2つあります。声優養成所と声優専門学校です。
大学に声優科が開校されていることもあるのですが、今回はそれは除外します。この後お話する学校選びのコツを見れば、なぜ除外するのかもお分かりいただけるでしょう。
声優養成所
声優養成所は、運営元が「声優事務所」であることが多いです。私が通った勝田声優学院は私塾でした。声優養成所は、私塾の場合もときどきありますので、よく確認しておきましょう。
私塾の場合には、基礎を教わることはできますが、事務所所属まで進むことはできません。その場合は自分でオーディションを探して受ける、もしくは事務所経営の養成所に再度入り直すことになります。
声優専門学校
声優専門学校は、大きな学校がほとんどです。ゲームプログラミングやデザイン、舞台、ファッションなど、さまざまなジャンルごとにコースが設けられている場合もあります。
個人的にはもし専門学校に行くのなら、声優主体の専門学校の方がいいのではないかと思います。その理由は次の内容で解説しますね。
声優の学校選びのコツ
よく「声優になるのにいい学校ないですか?」という質問を受けます。
答えは「いい学校はありません。悪い学校はあります」です。
声優の学校の良し悪しは輩出率がすべて
学校がいいか悪いかの判断は誰でもできます。それはその学校の声優の学校選びのコツとは「輩出率」です。つまり、どれくらいの割合でプロの声優になれるのかということです。プロの声優が1人も輩出されていない学校が正しい声優としての教育ができていると思いますか?
声優の学校の良し悪しは、どの学校でも声優の「輩出率」につきます。結果が出ていない学校は論外ということですよ。
声優のプロしか声優のプロは育てられない
声優養成所にしても声優専門学校にしても、声優だけの仕事で生活できている人ならば、ゲスト講師などで呼ばれることはあっても専任で講師をすることは、ほとんどありません。
声優養成所の講師はその事務所の所属声優が担当していることが多く、その事務所の雰囲気や方針に沿った指導となります。専門学校では、所属事務所は関係なく、雇われの講師という位置づけです。プロの声優はプロにしか育てることはできません。講師陣を見てみて、その道のプロなのかどうかで判断するといいでしょう。