声優専門学校のことを調べていると「闇」とか「やばい」の文字が続くことにお気づきでしょうか。
声優専門学校の闇って深いというYoutubeの動画も見かけます。
私が声優を目指した20年前でも声優専門学校は闇・・・と言われていたほど。
最近では声優ブームにのっかって、さらに声優専門学校の闇は深くなっているという情報もあります。
私自身も声優になろうと考えたときに声優専門学校のレッスンに行ったことがあります。
マイク前でのアフレコ体験は楽しかったですが、周りの声優志望者のオタク度は半端ない・・・
この記事では、声優専門学校のどんなところが闇なのかについてお伝えします。
もくじ
1)声優専門学校と声優養成所は何が違うのか?
声優養成機関には、声優専門学校と声優養成所があります。
2つの違いが、声優専門学校の闇だと言われる原因にもなっています。
【1】運営元の違い
声優専門学校は、企業が経営する声優養成機関です。
声優養成所は、声優事務所が運営する声優養成機関です。
声優専門学校は企業として運営しており、卒業時には、声優事務所のマネージャーなどを招き、オーディションを行います。
それぞれの声優事務所のマネージャーが欲しいと思う人材をその声優事務所に所属させていくというシステムです。
声優養成所は声優事務所が運営元であるため卒業際の声優事務所の所属審査に合格することでその声優事務所に入り、仕事をもらうことになります。
【2】全日制で学費が高額
声優養成機関に限らずですが、全日制の場合だとレッスン数が多く学費が高額になります。
声優専門学校は、全日制のことが多いためレッスンも週に5日行われるため、学費は必然的に高額になります。
声優養成所の場合には、週に1日や2日のことが多いため、声優専門学校に比べると安く設定されていることが多いですね。
また学費の支払いについても、声優専門学校の場合は学資ローンや新聞奨学生制度を設定し、基本は一括払いです。
学資ローンを利用した場合には、月々の返済をする必要があります。
新聞奨学生を利用した場合には、新聞配達を毎日行う代わりに学費が納入されるという仕組みです。
声優養成所も学費は一括での支払いですが、声優養成所によっては分割での支払いを相談できる場合があります。
【3】入所オーディションがない
声優専門学校は、OA入試など基本的にやる気があれば入学させる方式です。
そのため、入試といっても面接程度で実技試験はありません。
定員数に達するときには、ある程度の選考試験となるわけですが、願書を提出して面接すればほとんどの人が入学できるという仕組みです。
対して声優養成所の場合には、一部を除き実技試験を行う「入所オーディション」があります。実技試験では、滑舌やアクセントなど声優としての基本スキルの中でも最もベースの部分を審査されます。
声優養成所では定員数が少ないのと、学費の安さの面から競争率が高くなります。
大手声優養成所では競争率は3倍~4倍くらいと高めになります。
2)声優専門学校の5つの闇
声優専門学校と声優養成所の違いがわかったところで、今度は声優専門学校のどういう点が「闇」だと言われているのか見ていきましょう。
【闇1】声優専門学校はオタクの集まり?
声優専門学校にはOA入試という制度を採用している学校が多いです。OA入試とは「やる気があれば入れます」というような面接のみの試験です。
「声優に絶対なりたい」とやる気を見せるだけで入れてしまうので、中には声優というよりは、アニメオタクが集まりやすい傾向があります。
声優養成所だと声優には無理だと思われた人は合格させないため、声優専門学校よりはオタク度合は低いと言えます。
そのため、オタク度が高いことも声優専門学校の「闇」だと言われています。
オタクを悪く言うつもりはありません。
でもオタクのまま声優としてのスキルが身につかない人は声優にはなれる可能性は低いでしょう。
声真似やカワボやイケボを出すことだけに必死になり、そのまま卒業を向かえてしまうパターンです。
【闇2】声優専門学校は演技下手
声優専門学校には、アフレコ用のスタジオ施設が充実しています。声優専門学校の資料請求をしてみると、スタジオ施設についても解説があることも多いです。
実習はどれくらいの頻度かはわかりませんが、おそらく声優養成所よりも声優専門学校の方がスタジオでのアフレコレッスンが多いのです。
マイクワークなんてものは、何度も繰り返さなくてもよほどセンスがない人でない限り上手くなるものです。
その代わりに、演技の基礎とも言える読解力がない人が多いため、演技は下手・・・という人が少なくないのです。
【闇3】声優専門学校の就職率?
よく声優専門学校の資料に「就職率」という言葉が出てきます。
はっきり申し上げますと、声優にとって「就職率」という言葉はウソです。
声優はそもそも「就職」ではありません。
声優の収入は出来高制(ギャランティ)ですから、会社員のように「給料制」ではありません。
就職率98%とか書いてあるのは、例えば声優科卒業で、ゲーム会社や動画制作会社など一般の企業に社員として「就職」した人を表しているのです。
実際に声優事務所に入れる人は、数パーセントです。
「就職率」と書かれている情報を鵜呑みにし「ほとんどの人が声優になれる!」と勘違いをすることを狙っているとしか思えません。
就職率の記載のある声優専門学校は「闇」だと思った方がいいと思います。
【闇4】辞めても借金が残る新聞奨学生
声優専門学校の学費はとにかく高いです。1年間で100万円を超えるところはざらにあります。国立大学の授業料よりも高いですよ。
声優専門学校の学費を一般の家庭が一括で支払えることはそんなにありません。
そのため、学資ローンや新聞奨学生でまかなえる声優専門学校の制度を利用する人もいます。
学資ローンは簡単に言えば借金です。
また、新聞奨学生は新聞配達をする代わりに学費を納められるということで利用を考える人が多いです。新聞奨学生は毎日の新聞配達をすることが条件ですから、途中できつくてもやめることはできません。
声優専門学校をやめても借金だけが残り、返済に追われるということなのです。
声優専門学校のお金の問題で「闇」だといわれる理由です。
【闇5】声優養成所に行き直し
声優専門学校の経験者だと口をそろえて言いますが、声優専門学校から直接声優事務所に入れる人なんてほぼいません。センスのある人が稀にいるので、声優専門学校からも声優事務所に入れる人はゼロではありませんが「稀」です。
声優専門学校に入って学べることは声優の基礎だけです。
つまり、声優養成所に合格できるレベルしか身につかないってことです。
そのため、声優専門学校を卒業した人たちは、声優の道を諦めるか声優養成所に進む道かを選択します。
声優志望者は声優養成所にすぐ入れる力を持っている人でさえ、不安から声優専門学校に入ってしまう人もいます。
そういう人にとっては、声優になるための回り道をしているようなものなのです。
学費だって無駄に支払ってしまったと後悔する人も多いかもしれません。
3)演技の基礎を学ぶなら声優専門学校じゃなくてもいい
声優になるために必要なのはいい声ではなく「いい芝居」です。
個人的にはわざわざ学費の高い声優専門学校で声優の基礎のスキルを身につける必要はないと考えています。
【1】広告をたくさん出している声優専門学校は「闇」かも
声優専門学校は一般企業が経営している影響もあり、儲けが出なければなりません。
そのため学費を高額にし、その収入で広告を出します。
コンビニの社員の経験からも、視認性が高くなるものは売れるようになります。
簡単に言えばたくさん広告を出せば声優専門学校も生徒が集まりやすくなるということです。
声優専門学校では声優になれる可能性が声優養成所に比べて低い傾向にあることはお伝えしました。
広告をたくさん出している声優専門学校は「闇」が深い可能性があります。
【2】有名講師がいるからOKではない
声優専門学校に顕著ですが、有名がベテランの声優であることがあります。
最近では声優になりたい人が増え年間で3万人の人が声優養成機関に入ります。
声優業界自体が飽和状態であることから、声優だけの仕事で生活できるレベルの人は割合的に減っています。仕事が減ってしまった声優は、声優事務所に所属しながら何かしらのお金を稼ぐ手段が必要となります。
声優専門学校は声優養成所に比べるとお金があるので、講師を充実させ、看板として起用します。それ自体が悪いことではありません。
ただ、有名声優が講師でいるからと、その声優講師に教われば声優になれるわけではありません。
実力のある声優が教え上手かどうかもわかりません。
出会った講師が、うまがあうということも大事なことです。
それは有名声優かどうかに比例しないのです。
【3】ワークショップや私塾を活用
実は声優のスキルをつけるためには何も声優専門学校でなくてもいいのです。
きちんとした演技のロジックを教え、優秀な声優を育て上げることができる人はいます。
ワークショップや私塾でもプロの声優を育てられる人はいます。
高額な学費を払って、声優専門学校で声優としての基礎スキルを付ける必要はないのです。お金がなくて声優専門学校に通えないと悩んでいる人は、積極的にワークショップや私塾を検討してみてもいいのではないでしょうか。
ここまで声優専門学校の「闇」をご紹介してきましたが、当てはまる人もいれば当てはまらない人もいます。
あくまでも声優専門学校が声優養成所に比べてその傾向が強いということです。
私自身も声優を志した時に声優専門学校について「闇」の傾向が強いと体験レッスンで感じたため、声優養成所を選択しました。
声優としてのスキルを身につけるには、声優養成機関でのレッスンよりも、自主練の方が何倍も大事です。
声優は役者ですから、長年やってきたことが突然実を結ぶこともあるのです。
本気で声優になりたい人は、ぜひ声優の学校選びは慎重にしてほしいです。
私が紹介した情報だけを鵜呑みにせず、自身の目で見て感じて選択してくださいね。