TVに出ている女優さんがネットで「滑舌が悪い」と書かれていることがあります。声優さんで、滑舌が大事と言われますが、それはなぜでしょうか?今回は日本語の特徴などを交えながら、声優になりたい人へ滑舌のスキルについて解説します。
もくじ
声優になるための最低限のスキル「滑舌」
声優の場合、女優さんと違って「声」のみの出演のため、滑舌が良くないとセリフが聞き取れません。そのため視聴者は、ストーリーを理解することができなくなります。滑舌は声優になるためには最低限必要なスキルです。
滑舌の悪い声優はいる?
新人さんで「お試し」として起用されている場合、「滑舌が悪いなあ」と感じることはあります。しかし、売れている、ベテランの声優さんで果たして滑舌が悪い声優さんはいますか?好きなアニメや映画の吹き替えを見るとそんな声優は皆無です。滑舌が悪い声優さんはいないのです。
滑舌は毎日練習が必要
ベテランともなると、声優としての仕事は日常ですから、練習はしないという人もいますね。でもこれを読んでいる人はまだまだ修行中のはず。例えば野球選手が素振りをするように、毎日欠かさず滑舌練習を行うことは大切なことです。
どうしても言いにくい言葉はある
発音することは、舌、顎、表情筋など、顔の筋肉全体を使うことです。それらの使い方が誤っていると正確な音はでません。発音は人それぞれ癖もあるので、長いこと癖になっているとどうしても言いにくい言葉が出てきます。
滑舌は言いにくい言葉を練習するものですが、プロの声優さんでも言いにくい言葉もあります。早口言葉で有名な「東京特許許可局」なんて言葉はプロの声優さんでも、意識して発音する言葉です。1つのごまかしのテクニックとして、セリフとしてゆっくりと発音する方法を使う人もいます。
しかし、ごまかしたところで、滑舌が悪いと気づかれてしまえば、声優としては失格です。滑舌は「悪い」ことで悪目立ちしてしまいます。滑舌が「良い」ことは声優として当たり前のことです。
声優の仕事はすべて日本語で行うもの
私たち日本人は生まれてからこのかたずっと日本語で会話していますね。声優としては、「言葉」を職業にしているのです。その声優になりたいというのですから、「言葉のプロ」でなくてはなりません。
日本語は滑舌が悪いと聞き取れない
英語などの欧米の言葉とは異なり、日本語は口を大きく開けて発音する言語です。そのため、滑舌が悪いと言葉として成立しないということになります。視聴者は言葉が聞き取れず、言葉が伝わらないということになります。
声優は「日本語」でセリフを発する仕事
先ほども触れましたが、声優というのは「言葉のプロ」です。声優はアニメのアテレコ、映画の吹き替え、ナレーションと「言葉」で何かを伝える仕事です。その言葉が伝わらないのでは、「言葉のプロ」は失格です。つまり滑舌が悪い=声優になれないということです。
演技力があっても滑舌が悪いと興覚め
若い新人声優さんでも演技力がずば抜けて高い人がいます。天性の才能とでもいうのでしょうか。
しかし演技力がどんなに高くても、滑舌が悪くて聞き取れないと視聴者は、滑舌の悪さが気になってしまい、ストーリーが頭に入ってきません。
滑舌を教わることはない日本の教育
今まで受けてきた学校の授業で「滑舌」は科目として存在しません。声優になりたい人は、声優になりたい!と思い始めて、初めて「滑舌」の大切さを知ります。
生まれてから一度も「滑舌」は教わらない
私たちは日本語の教育を受けてきたのでしょうか。おかしな質問のように思えますね。「国語」は学校で教わりますが、「日本語」特に発音は教わったことはないのです。
滑舌は独学が必要
そんなわけで、滑舌は独学が必要となります。 声優養成所でも滑舌の勉強はします。しかし滑舌の良し悪しは一人一人見て滑舌の良し悪しは一人一人確認するという時間はありません。スマホなどで録音し、 自分で本などを読んで学んでいくことが必要になります。どうしても自分の発音が正しいかどうかが分からない時はボイストレーニングなどで正しいかどうかを確認するという事も必要です。
どうしても直らない場合は歯列矯正が必要かも
滑舌が悪い場合、発音する行によってはどんなに練習しても改善できないものもあります。サ行などがその例です。
サ行は最初に歯を上下合わせて少し息を出してから、母音の口の形にして音を出すという発音です。このとき、舌の位置は下前歯の裏側んい少し触れる程度です。しかし、前歯がきちんと閉じないと正確な音がでません。
滑舌が悪いひとつの原因として歯並びが悪いことも挙げられます。滑舌の悪い原因が歯並びにある場合は歯列矯正を検討することも必要かもしれません。
滑舌は声優にとっては必須のスキルです。本来であれば、苦手な滑舌があってはいけないものです。声優になりたいと思ったら、毎日滑舌の練習を始めることをお勧めします。