声優になりたい人って実は人見知りばかりなのをご存じですか?人見知りだから、表舞台にあまり出てこない「声優」という職業を選ぶ人も多いです。でも実際に声優の業界に行ったら、人見知りなんて言っていられないことにすぐに気づくと思います。
なぜならば、声優はレギュラー出演でもない限り、その日その場で出会った他の声優さんたちとも共演して1つの作品を作っていく職業だからです。
ああ、もう自信をなくしてしまいましたか?
でも、でもね、今活躍している声優さん達もかつてはすごい人見知りだった人もたくさんいるんですよ。
今回は声優になりたい人が人見知りの場合、どうやって人見知りを克服していくのか、私の体験談も交えながらご紹介していきます。
もくじ
あなたは人見知り?
まずは人見知りってどんなことを言うのか、人見知りじゃない人はどんな人なのかを解説していきます。
【1】人見知りとは
人見知りとは、もともと赤ちゃんが家族以外の人に出会った時に、相手に対して泣いたり怖がったりすることを指していました。しかし大人になっても、自分がよく知らない人に対して、恐怖を感じたり、恥ずかしがったりすることを人見知りと呼ぶようになっています。
現在では一般的に人見知りとは、 コミュニケーション能力が著しく低い人、 極度の恥ずかしがり屋をさしています。
【2】人見知りじゃない人って?
反対に人見知りじゃない人とはどういう人なのでしょうか。
先程ご紹介したコミュニケーション能力が高い人、堂々としている人は人見知りじゃない人と言う印象ですね。しかし一般的に人見知りじゃないと言われている人でも、人見知りである人はたくさんいるのです。
外国人から見ると、日本人は恥ずかしがり屋が多いと思われているようです。そういう意味では日本人全てが人見知りであると言えるのではないでしょうか。となると、声優になりたい人が、人見知りでないということの方が少ないということになります。
【3】声優でも人見知りはたくさんいる
日本人のおそらく90%以上が自分を「人見知りだ」と回答すると思われます。 あるデータでは日本人の98.3%が人見知りの原因である不安感を抱えているというのは驚きですね。ということは、実際に声優として活躍している人のほとんどが人見知りであると言っても過言ではないでしょう。声優になりたい人で自分が人見知りだと思っているということは、当たり前のことなのです。
人見知りのタイプ
人見知りのタイプにも色々あって、次の三つに分類されます。もちろんその中の一つだけに該当するわけではなくて、三つともに当てはまる人もいます。 私個人の話で言うと、書いていて笑ってしまったのですが、三つともに当てはまっていました。
【1】自分に自信がない
自分という人間に自信が持てず、何かしら失敗を恐れている人は人見知りの代表格です。声優になるために人見知りを克服しなければいけないと思っていても、自分自身に自信がないのでそれだけで不安になってしまいます。挙句の果てに「人見知り」は声優になれないと思い込んでしまうことすらあるのです。
【2】自意識過剰
街中を歩いていても、電車に乗っていても、自分のことを誰かが見ていると感じる人は要注意です。私はそこまで自意識過剰ではないと思いますが、失敗をした時に見られていたんじゃないかという意識が強くなります。そういう意味では自意識過剰の部類に入るのです。
【3】プライドが高い
何事も完璧でなくてはいけない、できる私でいたいと思っている人も人見知りの可能性が高いです。「完璧でなくては自分ではない」「できない私はだめだ」と自分に自信がないことと相まって、人見知りの性格を作り出していきます。
またプライドが高いゆえに、失敗を過剰に恐れ、人にカッコ悪い所を見せたくないというのもマイナス面でしょう。
私の人見知り克服法
三つのタイプすべてに当てはまった私ですが、それでも小さい声優事務所の所属となることができました。どうやって人知りを克服したのかいくつかご紹介していきます。
誰に言っても信用されませんが、私はかなりの人見知りだと自分で思います。外から見た私は人見知りではないとよく言われます。それは次にご紹介していく三つの方法を意識的に実行していたからだと思います。これは声優になる勉強を始めてから実行していたわけではありません。
自分が人見知りだと気づいてから「それではいけない」とどうにか試した方法がコレだったということです。
【1】とにかく話しかけまくる
人見知りが起きる原因を探ってみると、「知らない人」がいることが直接的な原因ですね。家族や友人など顔をしている人なのであれば人見知りは起きるはずがありません。
初めての場所に行った時、例えば声優の収録現場などに行った時、まず自分から話しかけることです。
内容は決まっています。「挨拶」をすることです。とにかく笑顔で、とにかく元気よく挨拶をします。同じ新人声優さんであれば「緊張しますね」とか「今日は天気がいいですね」とかなるべくたくさん話しかけます。
当然相手も人見知りであるわけで、話しかけられると緊張がほぐれるのが分かります。顔もだんだんと笑顔になってくるのがわかります。それにつられて私も緊張がほぐれていきます。
まあむやみやたらと話しかけまくるのは、集中した人もいるのでほどほどにしたほうがいいですが・・・。それでも一定の効果があるのは確かです。
【2】知り合いになる
挨拶が元気よくできて、少し言葉を交わすことができたらほとんど克服したと考えてもいいでしょう。
そもそも人見知りというのは「知らない人」がその場にいるからですよね。だったら手っ取り早く知り合いになってしまえばいいのです。家族や友人までとはいかないまでも、顔見知りであれば多少緊張はほぐれます。
私はこの方法でほぼ人見知りではないと周りに言われるようにまでなりました。
【3】人見知りじゃない演技をする
声優の仕事の現場で、人見知りをすると厄介です。というのは声優の仕事としてもある程度の緊張はあるわけで、人見知りで緊張している場合でもないのです。声優の仕事の現場で無駄な緊張してしまうと、演技にも影響が出てきます。
声が出てこない、相手の演技に反応できない、演技プランがガタガタになるなどいいことなんかひとつもありません。
だったらと編み出したのが、すごい社交的な自分としてスタジオに入る時から演技する方法です。収録の時に演技をするのに、スタジオに入る時から演技するとは訳が分からないと思います。
イメージとしては「自信たっぷりの新人声優の私」「人見知りなんて微塵も感じさせない私」の役を演じながら、スタジオに入るのです。
もちろん収録の時にその自分を演じたままでは難しい局面もあります。自分に酔いすぎない程度に演じてみることも一つの手段だと思います。
【4】たくさんの失敗をする
失敗をしたとしても、意外と周りは気にしていないものです。気にしているのであれば容赦なくダメ出しが入りますからそこは安心してください。むしろ声優として失敗をしないことの方が多いです。
ベテランの声優さんがNG集として動画を公開されているのを見たことがないですか?ベテランの声優さんであってもあれだけ失敗するのですから、新人声優が失敗しないわけがないのです。
一番良くないのが、失敗を恐れて萎縮してしまうことです。
私も現場で大失敗しました。台詞を噛んだとか、 NG をたくさん出したとかそんなことではありません。根本的に、「声がちっちゃい」というダメ出しを受けてしまったのです。そのダメ出しを受けた時は消えてしまいたいとすら思ったほどです。
でも、仕事をストップするわけにはいきません。人見知りで困っている人はたくさんいると思いますが、それに勝るものは一つだけです。それは情熱です。
声優になりたいと本気で思っているのであれば、自分自身で色々試してみて人見知りでない自分を作り出してください。