最近では声優志望者の中でTwitter などを使ってボイスサンプルを作ってみたという人がいます。スマホのアプリでも音声が編集できるものもあるため、専用の機材がなくてもボイスサンプルは簡単に作ることができます。
ボイスサンプルとは何なのか、どう作っていけばいいのか解説していきます。
もくじ
声優のボイスサンプルとは
私は声優を目指した頃は、「ボイスサンプル」という言葉すら一般的に知られているものではありませんでした。そのため私の場合はボイスサンプルを作ったのは、一番最後のE-sprinG声優養成所に入ってからのことです。
一体ボイスサンプルとは何なのか?
よくわからない人もいると思います。
声優事務所ではカタログのようなもの
声優事務所のサイトを見ると必ずと言っていいほど、ボイスサンプルが公開されています。それぞれの声優事務所で作成したものをサイトに掲載しているわけです。声優事務所に所属している声優であれば、ある程度の演技力はあります。しかし、実際に仕事として依頼をする場合にクライアントからすると、どんな声質の人なのかわからないのです。
その作品やキャラクターのイメージに合う声質の人を起用したいのはクライアントとしては当然のことですね。そこで声優事務所のボイスサンプルをあらかじめ確認し、イメージにぴったりな声優さんを起用するわけです。
声優事務所ではボイスサンプルは、仕事を依頼するためのカタログのようなものです。
声優としての名刺代わり
仕事を依頼される声優としては、自分を売り込みたい時に役に立つのがボイスサンプルです。一般的な会社員であれば、営業をかける時には一番最初に名刺を渡します。声優さんの中には名刺を持ち歩いている人もいますが、クライアント側からするとその人がどんな演技をするのか、どんな声質の人なのかいまいちわからないわけです。
そこでボイスサンプルを提示することにより「私はこんな演技ができます」「私はあんなナレーションもできるのです」という風に自分を売り込むことができるのです。
声優事務所に所属する際にはボイスサンプルをつくる
実際に声優事務所に所属することが決まった新人声優には、最初にボイスサンプルを作成するように言われると思います。声優事務所では、一年かニ年に一回くらいの割合で定期的にボイスサンプルを作成するようです。
通常は声優事務所の中で、スタジオ予約してボイスサンプルを収録することになると思います。もしくは声優事務所でスタジオを持っている場合はそのスタジオで収録します。
ボイスサンプルを作る方法
私の場合声優事務所所属ではありません。そのため、ボイスサンプルを作るのであれば、スタジオを借りるか、宅録したものをボイスサンプルとして提供するかのどちらかになります。
では実際にボイスサンプルを作ろうとすると、どんな方法で作っていくのかを解説していきましょう。あくまでも私が学んできたボイスサンプルの作り方です。
【その1】ボイスサンプルは第一印象が大事
ボイスサンプルの一番最初に名乗ります。ボイスサンプルを聞く人からすると、一番最初に耳にすることになるのが「名前」です。ここで聞き取りづらかったり、暗い入り方だったりすると一気に印象が悪くなります。
ボイスサンプルの第一印象は大事なものです。その第一印象を決めるのが「名前」というわけです。ボイスサンプルの一番最初の名前ははっきりと明るく言うようにしましょう。
【その2】自分に合った文章を考える
インターネット上では無料のセリフ集やナレーション集などが公開されています。もちろんその文章を使っても問題はありません。しかしそのままの文章を使ってもあなたらしさは出ないのではないでしょうか。また例えばですか不得意な滑舌が入っている文章ではトチリも多くなるのは当たり前です。
ボイスサンプルに最適な文章は自分自身で考えることをおすすめします。何もわざわざ好き好んで苦手なことを披露する必要はありません。自分の得意な演技で攻めていきましょう。
【その3】全部で2分くらいがいい
ボイスサンプルを聞く人はほとんどが最初に聞こえてくる内容だけで判断をすることが多いそうです。極端に言うと10分もあるボイスサンプルを全部聞いている暇はないのです。先ほどご説明した最初の名前が大事というのもここに繋がってきます。
最も良いボイスサンプルとは「もっと聞きたい」「他のサンプルも聞いてみよう」と思わせるものです。ただクライアントとしては、声優事務所に所属している限りは、ある一定の水準の演技ができることは前提なので、声質が合っているかどうかだけを判断することも多々あります。だいたい全部で合わせて2分くらいにおさめる方がいいでしょう。
【その4】基本的にオリジナルのものを作る
先ほども少し触れましたが、自分が言いにくいセリフをわざわざ披露する必要はありません。自分で考えた文章であれば、必然的に言いやすいものになっていることが多いです。ネット上に落ちているサンプルを使うのも良いですが、できればオリジナルのものを考えた方が言いやすいものになっているということです。
もちろんネットに落ちているものを利用して、オリジナルのものに書き換えて使うぶんには全く問題ありません。著作権の問題もありますので、自由に使うことができるものなのかどうかも確認しておきましょう。
【その5】セリフ2つとナレーション1つが王道?
多くの声優事務所の所属声優がボイスサンプルとして公開しているものは、セリフが2つ、ナレーションが1つのパターンが多いです。ナレーションが得意な声優事務所であれば、セリフが1つ、ナレーションが2つのパターンもあると思います。
最初にご説明したようにボイスサンプルとは声優事務所のカタログのようなものであり、西友にとっては名刺がわりになるものです。 自分の売り込みたいジャンルで、ボイスサンプルを作るほうがいいでしょう。
ボイスサンプルを進化させるために
声優事務所所属の声優さんであれば、1、2年に1回ぐらいはボイスサンプルの差し替えをしています。なぜかと言うと、声優さんもトレーニングや芝居の勉強を続けていて、新しくできるようになったこともあるからです。
ボイスサンプルを作る場合は1回作ったら終わりではありません。また、声優のオーディションによっては指定のボイスサンプルを提出する必要があることも。その場合は、サイト上に公開しているボイスサンプルではなく、指定のボイスサンプルを作成します。
音楽なしで練習する
サイト上に公開されているボイスサンプルを聞いてみるとBGMが入っているものがあります。もちろんBGMが効果的に入っているのであれば、セリフやナレーションとの相乗効果により、その世界観がよく伝わります。
しかし練習の段階では基本的に音楽はなしで練習した方がいいです。声優志望者の中でボイスサンプルを聞いてほしいという依頼を受けることもあります。その中にはBGMがしっかり入っているものもあります。でもBGMの雰囲気に流されてしまっていることが多く、ボイスサンプルとして成立していないものが結構あります。
BGMはあくまでもセリフやナレーションとの相乗効果を狙うものなのです。練習の段階ではBGMを入れず、セリフやナレーションだけに集中しましょう。
タイプが違うものをつくる
声優事務所のサイトを確認してみてもわかると思いますが、同じタイプのセリフを2つ入れている人はいません。 声優としてのバリエーションを見てもらうためにも、同じタイプのボイスサンプルを作ってもあまり意味がありません。
例えばセリフのボイスサンプルを2つ作るのであれば、全く違うタイプのものを作るようにしましょう。
時間が経ったら作り直す
声は年齢が重なると良くも悪くもだんだんと変わってきます。また時間が経過すると演技の質も変わってくるものです。声優事務所に所属していれば定期的にボイスサンプルの作り直しをすると思います。
もしフリーの声優として活動するのであれば、定期的に自分のボイスサンプルを録り直すようにしましょう。ボイスサンプルの録り直しによって、新しい仕事の幅が広がるかもしれません。
私もボイスサンプルの作り直しをする時期にきたので、この記事を書いてみました。ボイスサンプルだけで仕事を勝ち取らなければいけないので、自分のボイスサンプルをどんどん進化させていきましょう!